ドローン攻撃の現場に駆けつけたウクライナ消防士、妻・娘・孫3世代の死を目の当たりに

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ドローン攻撃の現場で対応に当たる消防士=5日、ウクライナ中部プリルキ/Emergency Service of Ukraine/Reuters

ドローン攻撃の現場で対応に当たる消防士=5日、ウクライナ中部プリルキ/Emergency Service of Ukraine/Reuters

(CNN) ウクライナ中部プリルキを夜間に襲ったロシアの攻撃。現場に出動した地元消防署長と消防士らが目にしたのは、ドローン(無人機)が住居ビルに直撃して5人が死亡、9人が負傷した光景だった。

犠牲者の中には消防署長の妻と娘、生後まもない孫が含まれていた。

ウクライナ国家警察は5日の声明で「3世代…どんな言葉をもってしても、この痛みを和らげることはできない」と述べ、消防署長の娘で警察官だったダリナ・シギダさんの死亡を発表した。

警察は声明で「彼女は強く明るく、誠実だった。職務宣誓を忠実に守り、公平で、深い義務感を備えていた。この点は同僚や彼女を知るあらゆる人の記憶に残るだろう」と言及。シギダさんは2020年に22歳で警察に加入したと付け加えた。

声明ではさらに「警察官になるのは彼女の夢であり天職だった。消防士の父は彼女が幼い頃から、人助けをするよう教えていた。彼女と同じく巡回警察官の夫は常に支えとなり、勤務を助けていた」とも述べた。

警察官だったダリナ・シギダさん。母親と1歳の息子とともにロシアのドローン攻撃の犠牲になった/Kyiv Police Patrol
警察官だったダリナ・シギダさん。母親と1歳の息子とともにロシアのドローン攻撃の犠牲になった/Kyiv Police Patrol

シギダさんの祖父母、バレンティン・ロティシュさんとリュドミラ・ロティシュさんは同じ住宅の別の区画に住んでいた。攻撃が起きた時、シギダさんは母親、つまりロティシュさん夫妻の娘のもとを訪ねていたという。

バレンティン・ロティシュさんはウクライナ公共放送ススピリーネの取材に「(シギダさんの息子の)小さなミーシャが悲鳴を上げていた。その後、すべてが静かになった」と振り返った。

息子はまだ1歳だった。氏名は公表されておらず、SNSで共有された写真には、カメラに背を向けた状態で母親に抱かれる姿が写っている。体はジャケットにくるまれ、冬用の帽子を着用している。

ウクライナのゼレンスキー大統領によれば、全面侵攻開始以降にロシアの攻撃で死亡した子どもは632人目。

ゼレンスキー氏は5日、ロシアが夜間に複数の地域を狙ってドローン103機と弾道ミサイル1発を発射したと明らかにした。一連の攻撃で少なくとも8人が死亡している。

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