活動家乗船のガザ支援船拿捕、拘束した乗船者をイスラエルに搬送　外務省発表

（ＣＮＮ） スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんらを乗せてパレスチナ自治区ガザ地区へ向かっていた船舶をイスラエル軍が阻止した件で、イスラエル外務省は、拘束した乗船者をアシュドッド港に搬送したと発表した。

ガザに支援物資を届けようとしていた「マドリーン号」にはトゥンベリさんら活動家が乗船していた。イスラエル外務省によれば、乗船者は９日夜に健康診断を受けた。

同船を運航する「自由船隊連合（ＦＦＣ）」は、イスラエル軍がマドリーン号を「攻撃」し、「不法に乗り込んだ」と述べた。ガザでは６００日以上にわたる戦闘と１１週間にわたるイスラエルによる支援物資の封鎖によって、２１０万人の住民が深刻な飢餓の危機に見舞われている。

情報筋はＣＮＮの取材に対し、イスラエルは拘束した活動家をアシュドッド港に移送し、その後、ベングリオン空港を経由して、国外追放に向けた手続きを迅速に行う計画だと明らかにしていた。

外務省は、乗船者がオレンジ色の救命胴衣を着て並んで座り、兵士が水のボトルやサンドイッチを差し出す様子を捉えた動画も公開していた。トゥンベリさんはグループの前の方に座っていた。

活動家グレタ・トゥンベリさんに食べ物と水を提供する様子を捉えた写真をイスラエル外務省が公開した/Israel Foreign Ministry

ＦＦＣはこれより前、ＳＮＳへの投稿で、マドリーン号が「国際水域で襲撃を受けた」と明らかにしていた。

ＦＣＣは「クアッドコプターが船を取り囲み、白い塗料のような物質を噴射している。通信は妨害され、不快な音が流れている」と報告していた。イスラエル外務省が投稿した動画には、海軍の職員が船に対して「ガザ沖の海域は封鎖された」と無線で伝えている様子が映っていた。