ウクライナの著名なオペラ歌手、スーミ州でのボランティア活動中に死亡
(CNN) ウクライナの著名なオペラ歌手、ウラジスラフ・ホライ氏が、同国北部スーミ州でのボランティア活動中に死亡した。同州では領土をめぐる最前線での戦闘が続いている。
ホライ氏はオデーサ国立歌劇場のソリストだった。同歌劇場は声明で、ホライ氏は「ワールドクラスのテノール歌手」であり、「ウクライナの名誉ある芸術家」であり、その歌声は世界中に知られていたと述べた。
8日にフェイスブックへ投稿された声明は、「この悲劇的なニュースは、ウクライナの芸術界全体を揺るがした」「(ホライ氏は)才能あるオペラ歌手であっただけでなく、人生における強さ、尊厳、そして優しさの模範でもあった」と故人を追悼した。
投稿はホライ氏が死亡した経緯に触れていない。
ホライ氏によるフェイスブックへの5日の投稿によると、同氏はウクライナ海軍部隊のために資金集めをしていたという。
前出の歌劇場のウェブサイトによると、ホライ氏は1993年にオデーサ国立オペラ・バレエ劇場に入団し、米国、英国、カナダなど多くの国で公演を行った。英国ツアーでは、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでも公演した。
同歌劇場はホライ氏死亡の前日、同氏がナポリの歌曲「オー・ソレ・ミオ」を歌う動画を投稿した。これが同氏による最後のパフォーマンスになったとしている。
オデーサ国立歌劇場は、ホライ氏がスーミ州で死亡したと発表。同州はロシアとウクライナとの戦争における激戦地となっている。同歌劇場は、ホライ氏がボランティア活動のために現地にいたとしているが、詳細は明らかにしていない。
ロシア軍はここ数週間、州都スーミに向けて徐々に軍を進めている。